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2005年12月30日

塚本由晴+古谷誠章

YOSHIHARU TSUKAMOTO+NOBUAKI FURUYA

COVER INTERVIEW 12 at archi cafe xebec
塚本由晴+古谷誠章


塚本由晴(つかもとよしはる)
■ 1965年生まれ。87年東京工業大学工学部建築学科卒業。
■ 87年から88年までパリ建築大学ベルビル校。90年東京工業大学大学院修士課程修了。94年同大学院博士課程修了。92年に貝島桃代とアトリエ・ワンを設立。東京工業大学講師を経て現職。92年'92熊本アートポリス・デザイン・コンペティション最優秀賞、99年東京建築士-学会住宅建築賞金賞、第16 回吉岡賞を受賞。
■ 主な作品に『アニ・ハウス』『ミニ・ハウス』。主な著書に『ペット・アーキテクチャー・ガイドブック』『メイド・イン・トーキョー』など。

古谷誠章(ふるやのぶあき)
■ 1955年生まれ。早稲田大学大学院修了
■ 86-87年マリオ・ボッタ事務所。90-94年近畿大学助教授。94年スタジオナスカ設立。97年より早稲田大学教授。
■ 主な作品にやなせたかし記念館、詩とメルヘン絵本館、早稲田大学ハイテク・リサーチセンター西棟。


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           学生にはホラを吹いてほしいね。

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Flat:教鞭を執られている立場にあるお二方が受ける学生の印象を教えてください。

塚本:学生を見ていて思うのは、ますます規範を内面化した人間が減っているなってことだね。場所のルールというものに対して全く無頓着で、傍若無人な奴が多い。それは建築をやる上ではかなりマイナスだと思う。そこがセンシティブじゃないといけないと思うんだよね。

古谷:似ていることかもしれないけど「地球の歩き方」っていうのを買わないと旅行に行けない奴が多すぎる。つまり書いてある通りに行って、全面クリアしたような感じで帰ってくる。

学生は自分で都市の中を彷徨して、自分の嗅覚で吸い寄せられるとかっていう楽しみを知らないし、それを恐怖に思っている。最大の不満は「はじめて行くということは二度とできない」のに自分の嗅覚で持って発見する喜びを見出そうとはしないことだね。

Flat:「地球の歩き方」を読んでいる人が、その枠の範疇で収まってしまうということでしょうか。

古谷:いや、そこから発見やハプニングがあってすばらしかったということもあるのだけれども、行く前に勉強していくということはもう一つ大事なことで、不用意に行くべきではなくて、どういうところなんだろうなっていう想像力を働かせた上に行くのはいいと思う。

必要な知識を手に入れたりするのもよい。ただそれも行かない前の状態には二度と帰れないから、行ったことがないときに想像力を膨らませて、ためを長くするということは大切だと思う。

Flat:それは漂流したほうがよいということですか。

古谷:そうではなくて旅行に限らず、およそガイダンスを必要としているという姿勢自体がいけないということだよ。

Flat:お二人は都市を観察するのがうまいと思うのですが、今注目している都市を教えてください。

塚本:僕はどこへ行ってもだいたい楽しめる方なんだけど、それはその場所のやり方を見ようとするからなんだよね。この人たちはどういうやり方で生きているのか。そう考えると、すごく面白いからどこでもいいんだけど、これからアメリカに行く機会が増えるから20年近く行ってなかったアメリカを注目してみようかなと思っている。ほとんど期待できないかもな(笑)

古谷:注目している都市は多々あるのだけど、ベースには自分が東京生まれということもあって、みんなが共有している東京とは別にホームタウンとしての東京もある。そういう意味で僕にとって関心事であるね。

かつてのロンドンにしてもニューヨークにしても世界都市と呼ばれる都市は、政治や経済等の中心地であるということは言うまでもなく、同時にその都市の文化を発信する力があるってことは、それを生み出すまでの土壌なり素地なりがあって、それが世界に発信していって繰り返し、人が訪れるようになる。

ところが東京は一時世界都市の一角になりつつあったのだけど、本当の意味で全てを兼ね備えたグローバルシティになりきれないまま主役を奪われるような気がする。それもまたありかなという気持ちもあって、東京の成り行きは関心事です。

Flat:名古屋はどうですか。

古谷:名古屋はその次元では話せないな(笑)日本の中でいうと東京があって、それ以外の中核都市があるという構造が、どういう風に成立するかという問題が関心事だね。パリのように集中していて全国民がパリを共有しているという状態に対して、東京と聞くと眉をひそめたりして共有している感覚はない。地方の中核都市がどういう振る舞いをするのかということが重要だと思う。

Flat:最後に学生に対してメッセージをお願いします。

古谷:好き嫌いがはっきりしていない人が多い。ものの好き嫌いぐらいは高校時代に付けてきてもらいたい。物事のすべてを観察することは出来ないからね。

塚本:学生にはほらを吹いてほしいね。それで責任を取ってほしい。(笑)

古谷:それは大事だよね。

Flat:ありがとうございました。

インタビュアー 堀田将之 山本真也





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