FLAT:ヨコミゾさんは大須に住宅を建てられていますが、名古屋の印象を教えていただけますでしょうか。
ヨコミゾさん:愛知万博をやっている最中だったので、町全体が少し浮かれすぎてはいないだろうかという気がしました。正直なところ。知り合いの方なんかは、三回も四回も行っていて、それをすごく楽しそうに語っていました。建築とは全然関係ない方なんですけど、あのパビリオンのあそこの壁が面白いのよと妙に関心していて。でもこれだけ地元の人が楽しんでるんだったら外部から僕が浮かれすぎだなんていうのは全然関係のないことかもしれないと思いましたね。
FLAT:私たちの中でも万博は名古屋だけっていう印象がありました。他に、展覧会なども東京、大阪、福岡など飛ばされてしまっていて、何か名古屋の保守的な感じがそうさせているのだと思っています。大学間のネットワークもそういう感じがあって、そのためこういう活動をさせていただいています。
ヨコミゾさん:中部圏といったときに微妙に関西のおまけとしてくっついている感じもするし、明らかに関東とは違うし、考えれば考えるほど中部圏ですね。(笑) でもそれが少し愛知万博以降変わったんじゃないかという気がしますね。変わって欲しいなという感じもするし。終わって少し落ち着いた今が重要な時だという気はします。僕は施主を通してしか名古屋の人を知らないのだけれど、意識は高いなという風には思いますよ。大須の施主の方は、僕が名古屋に来るよりよりもよっぽど多い回数東京に来ているし、僕よりも場所によっては詳しかったり。(笑) この名古屋に住むということを意識して仕事をされている方が一人でも二人でも増えていくということがいいことだと思いますね。
仙台なんかはうまく東京とそういう関係をつなげていると感じますね。
東京との関係をしっかりと意識しているのを感じますよね。
FLAT:学生の活動も仙台はすごい活動的だっていうのを感じています。
ヨコミゾさん:学生の活動って言うのは何年か経つと、なくなっていくものなのだけど、どうやって継続してくかっていうのはすごく重要ですよね。今始めて何年目くらいですか。
F:三年です。
ヨコミゾさん:そうすると最初の熱い思いをもった最初の人たちがそろそろ交代する時期なのかな。
FLAT:はい、世代交代があり、少し落ち込んでる時期がありましたが、最近三年生が増えて、少し盛り上がってきたかなという感じです。まだ知識も少なくて。上の世代とはなるべくコミュニケーションとるようにはしているのですが。
ヨコミゾさん:自主的な活動をもつ組織っていうのはどっちにも転びえるしとても難しいよね。継続すべきこともあるし、変えていかなくちゃいけないこともあるし、大人びた感覚も必要。でもそれをやれたら建築家として、社会学習的にはOKなんじゃないかな。
建築って物や形を決めると言うのは、相矛盾する条件をどう整理するというか、どう調整するのかっていう作業がほとんどなんです。だからそういう組織を運営するというのはすごくいいトレーニングになると思いますね。
FLAT:富広美術館について質問なのですが、どこにでも建ち、色んな用途に使えるという風にお聞きして、ユニバーサル性を出すために外部環境から断ち切ったと考えたのですが、その他のメリットはなんですか。
ヨコミゾさん:決して自分のスタンスという訳ではないのですが、設計する始まりのときに、敷地から何か受けてこの敷地にはこの形、となる場合と、敷地はどうあってもよくて、もう少し別のところで決まってくることをどう敷地に当てはめるかという二パターンあって、それはプロジェクトごとに違います。日本の現代住宅100に載っているTEMは極めてインスタレーション的な作り方をしていると自分では思っています。サイトスペシフィック的な感覚で。
富広美術館の場合は、もう少しそれを歴史の中や、現代建築の歴史と自分がやろうとしている関係だとか建築の持っている色々な足かせを払うことみたいな、敷地と無関係なところから出来上がってきたものをその敷地にどう置くかということを考えていました。
例えて言うなら、コンピューターのオペレーションシステムというのがあって、どこの国の言語にもローカライズされるのね。アラビア語でも使えるし、日本語でも使える。ローカライズができるシステムというというのはやっぱり柔軟性が高いし、それに近いものという感じがします。始め土地とは無関係に内部の機能の関係だけで決められていくという感じです。
でもそのまんまではダメで、それをやっぱり敷地というものを得たときに、そこでローカライズされて始めて建築になる。だから、違う敷地に行けば鉄じゃない素材を使って同じような考え方で別の建物ができてしまうかもしれないし、たまたま2005年の群馬県の山奥で、今の日本の建設技術を使って生まれた結果があれであって、場所が変わればまた違うものが生まれるという可能性もあります。それが、OSがローカライズされてある言語の元で動き始めるということと近いと言えますね。
FLAT:最後に、名古屋の学生にメッセージをいただけないでしょうか。
ヨコミゾさん:逆にこの名古屋っていう、言わば中途半端な距離って言うものを生かして、東京関西を往復している人たちに名古屋に必ず降りてもらって、そこで何か講演とかやっていってもらうといいのではと思いますね。
僕は、交通の真っ只中にあるというのはすごく貴重なことだと思いますよ。常に行き来している流れの中にある。色んな立場から色んな事をしゃべってもらう、そういう場を作っちゃって、とにかく色んな人がとにかく来ちゃう、何かしゃべって、何かしていく、そういう状況を作っちゃったら良い気がする。
それができる場所かもしれないと思います。
長い公演の後、お疲れのところ丁寧に質問に答えてくださって大変ありがとうございました。
ヨコミゾさん、次はいつごろ東京大阪間移動されますでしょうか? (笑)
(インタビュアー:森田真悠・山田将也)