手塚貴晴+手塚由比
「あたりまえの建築」
今回はarchi_lecture specialということで、「屋根の家」でJIA新人賞を授賞された
夫婦建築家ユニット 手塚貴晴さん・手塚由比さん
(そして愛娘である無捺(ぶな)ちゃん)をお迎えして「あたりまえの建築」と題して、
普段の会場(archi cafe Xebec)から場所を変えて、
特別に東桜会館にて講演会が行われました。
会場内の参加者の多くが建築科学生ということで総数、約100名の方々に
来ていただきました。ありがとうございました。
90分間という限られた時間内で、今まで設計された作品のプロジェクションをしながら、
私達学生にとって大変興味深いレクチャーをしていただきました。
はじめに手塚さんにとって外せない住宅として、「屋根の家」です。
もともと施主の方の建てる以前に住んでいらした住まいにある屋根
という特質を、設計に生かそうという考えのもと、木デッキでできた屋根(1/10の勾配)の上で
テーブル、イス、キッチン、シャワーなどをつけ、それぞれの家族の部屋から天窓をとり、
そこから出入りすることで家族にとって特別な場所をつくるというものでした。
「建物っていうのは人が入って初めて完成する」という言葉のとおり
建築雑誌では見られない家族だけでなく近所の子供達など、人が屋根の上にいる風景、
その使われ方を見てこの住宅の意味や可能性が垣間見えたような気がしました。
他にも「鎌倉山の家」、「壁のない家」、「空を捕まえる家」のプロジェクション
そして最近作の越後妻有アートトリエンナーレ2003の一環としての
松之山の森の学校「キョロロ」についても、できたての作品をコンペ時から設計のプロセス、
現場施工のことまで、丁寧に説明してくださいました。
アクリルを使った開口部やコールテン鋼の溶接による蛇行して連続する矩形など
なかなか特異な印象ですが、松之山という場所、それぞれの空間に対する
イメージのレイヤーが幾重も積層されているような興味深い解答を示した建築でした。
今回のレクチャーのテーマであった「あたりまえの建築」、
それはそれぞれの与条件にたいして奇をてらったものでなく、素直に取り組み、
思考し、それが「あたりまえのようで今までなかった建築」をつくるということで、
それをいつも設計に携わるときのゆるぎないコンセプトであるとのことです。
名残惜しくも20時にレクチャー本編は終了し、手塚さんと参加者の皆さんは
archi cafe Xebecへと場所を移し、質疑応答も兼ねた懇親会をしました。
flatの手作りピザを食べながらのインタビュー、フリートークへと続いて、
手塚さんを学生が取り囲んでの楽しい貴重な時間を過ごすことができました。
最後に今回のレクチャーを引き受けてくださった手塚貴晴さん、手塚由比さん、
そしてカワイイ笑顔を見せてくれたち無捺ちゃん、本当にお疲れ様でした。
本当にありがとうございました。