LECTURE

*archi_lecture

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2003年08月21日

vol.10 渡辺純

「On Making」


8月21日(木)中部大学教授の渡辺純さんをお迎えして行なったarchi_lectureも
第10回を迎えることになりました。
今回は夏休みということもあり、告知が限られがちな条件にも関わらず、
中部大学の学生はじめ多くの人に集まっていただきました。


渡辺さんは、現代の建築界における意味の再生産、建築領域の開拓
といったスタンスをとることでもなく、純粋に建築のコアとなるものを追求することに意味を見出し、
実際に活動されています。
そこで今回のお題「On Making」からも窺えるように、
まず作ってみる、作りながら形態をインテンション、コンストラクション、ディテールにおいて
全体を貫く一つの流れを構築する方法論という切り口から
ご自身の思想を語っていただきました。

はじめにイスタンブールの風景、マヤのピラミッドのスライドを引き合いに出し、
大地の力を吸収する建築の意志を地に対して構築することで「恣意的なものを消」し、
そしてそこで生まれる畏敬をもって土地に対し、クリティカルでなければならないと語る。
それは内部空間における定位、芯を立てるといった話へと展開していき、
過去の作品のスライドへ移行。

次に安比高原牧場牛舎、調布の家、吉備の家、蒲郡のヴィラなどの実作を通して、
テクトニックな構成によって、いかに豊かな空間を作るかを、先ほどの「地の霊」の概念を取り入れながら詳細にわたって語る。
フレームをうまく使った内と外、表と裏の関係性など視覚的に干渉し、
動きを示唆するなど緻密に組み立てられているのはまさに圧巻。
「空間に参加する」という言葉はとても印象的でした。

「意識のある仕事を行うべきだ」という言葉で締めくくった今回のレクチャーは
果たして建築の建築たるものとはなんぞや・・・と根源的な問いを見つめなおすには十分。
案に内容の濃いものとなりました。
それは権力と欲望が渦巻く社会に対する一つのスタンスの提示であったのかもしれない。
引き続きレクチャー後の参加者を交えたフリートークはパスタを食べながら、
にぎやかに深夜まで続きました。

最後に今回のレクチャーを引き受けてくださった渡辺純さん、
ならびに暑い中レクチャーにお越しいただいたみなさま、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。





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