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2008年04月11日

vol.35 鵜飼昭年(AUAU)

「マチ・ヒト・スマイ」

11月25日(日)、名古屋を中心に活躍されているAUAU建築研究所の鵜飼昭年さんをゲストにお迎えし、レクチャーを行いました。
鵜飼さんは目が大きく、はっきりとしたお顔立ちをされています。そんな鵜飼さんを私は勝手に「怖そうで、近づき難い人」として自分の中で設定し、レクチャーに参加しました。しかし、それはレクチャーが始まるとすぐに間違いだと気づきます。司会者の緊張と初々しさも手伝ったせいか、鵜飼さんはとても柔らかい口調で話し始めてくださいました。そして、一気に自分の中のバリアーが解除され、「やさしい、ダンディーな人」に変わりました。「人を見た目で判断しない。」ということを皆さんも今一度自分に言い聞かせてみてはいかがでしょうか。
都市の構成単位は一つ一つの建物です。当たり前の事ですが、なかなかそのことまで考慮しながら設計することは容易なことではありません。まずクライアントの要求を満たし、尚且つ自分の色を足したい、時には単なるデザインの押し付けになってしまう場合もあります。鵜飼さんがレクチャーで言われていた、「内と外の関係を作る、そのためには個々の建築が大事になる。空間やモノ・コトなどの個が連続し、積み重なってアイデンティティやアクティビティが生まれる。そして、やっと建築が人間の幸福に関係を持つ。」は建築を学ぶ本来の意味を再認識させてくれる言葉でした。建築はクライアントと向き合いながら、戦いながら進んでいきます。また、クライアントの向こう側にいる住民や地域など、その土地特有の匂いを感じ取る事も必要とされるのです。
私は、建築家は人に幸せを与える事のできる、カッコイイ職業だと思っています。ですが、それだけに大きな責任があり、期待以上の物を提案し続けないといけない、とも思います。例えば住宅は、大抵の人が一生の内に一度建てるか、建てないか分からない程の大きな買い物です。数千万という大金を払うわけですから、クライアントにとっては今後の人生を任せる位の気持ちがあるはずです。ですから、その期待と希望を上回るエネルギーを建築家は求められるのです。
多くの建物が建築年数と共に価値が下がり、都市のマイナス要素として扱われてしまいます。それは、建築家にとって喜ばしい事ではないし、市民もそれを望んではいないでしょう。日本の住宅の寿命は2,30年だと言われます。そうであっても、時代が進むにつれ廃れていくのではなく、その地域に根付き、歴史を重ね時代に普遍的なスマイ、マチを私たちは提案すべきだと思いました。
最後に鵜飼さんは、「案外自分は変われます。思ったよりできます。皆がんばっちゃってください。世界へ行きましょう!」と言葉を残しレクチャーは終了しました。
懇親会では、お酒の力も加わり建築のことから砕けた話まで幅広く受け答えしてくださいました。終盤は飲みすぎて砕け散った人も…
懇親会後、鵜飼さんはおぼつかない足取りで真っ白のベンツ…ではなく自転車にまたがり、愛する家族、マチに向かってペダルを漕いで家路に就いたのでした。





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